30人の起業家が真冬の札幌を熱くした3日間。Startup Weekend Sapporoを初開催して

Startup Weekend Sapporo集合写真

Startup Weekend Sapporoロゴ
2015年1月9日〜1月11日、Startup Weekend Sapporoは札幌で初開催しました。初開催という期待と緊張、不安があるイベント。私はスタッフとして参加しました。本記事はStartup Weekend Sapporoをスタッフとして参加した者の記事となります。Startup Weekend Sapporoがどういうイベントだったか気になる方へと、私が参加して感じた思いについて記載します。長いので、どこかに保存して時間あるときにゆっくり見てください。

Startup Weekend Sapporo自体と、ツイートまとめについては以下のページをご覧ください。

目次

30人の起業家が真冬の札幌を熱くした3日間


このツイートはオーガナイザーを引き受けてくださった今治さんによるStartup Weekend Sapporo終了後のツイートです。今治さんは数々のStartup Weekendに参加経験のある方です。そんな今治さんが熱いと感じる札幌。

Startup Weekend Sapporoは1月9日〜11日という真冬に開催されました。そんな真冬を熱くしてしまうStartup Weekend Sapporo。30人の参加者がどのようにして、起業家となり、真冬の札幌を熱くしたのでしょうか。

Startup Weekendとは?

Startup Weekendは新しい「なにか」をつくりだすエキサイティングな「スタートアップ体験イベント」です。

週末だけであなたはアイデアをカタチにするための方法論を学び、リアルなスタートアップを経験できます。あなたはチームで力を合わせて、金曜の夜から日曜にかけての54時間で起業を体験します。
Startup Weekend Sapporo(スタートアップ ウイークエンド サッポロ) – Startup Weekend Sapporo | Doorkeeper

スタートアップを経験するイベント。金曜の夜に集まる。初めて会った人同士でチームを組む。日曜の午後までにプレゼンを目指すーー

あなたの頭のなかに、どのようなイベント光景が浮かびましたか? それはハッカソンですか? アイデアソンですか? それとも、ビジネスプランコンテストですか?

Startup Weekendはその中の、どれでもありません。私は、貴重な時間を掛けてこの文章を読むあなたに対して、できればStartup Weekendというイベントで起きた全てのことを伝えたいと思っています。しかし、残念ながらそれは無理なことです。Startup Weekendを体験した人と、体験をしなかった人ではStartup Weekendへの理解に雲泥の差が出てしまうからです。

私はStartup Weekendのスタッフを行うにあたって、事前にある程度のStartup Weekendに対しての説明を受けていました。Startup Weekendについて、一般参加者の方よりは、わかっているつもりで望みました。しかし、いざイベントが始まってみると、Startup Weekendについて事前に理解したと感じていたことと、イベントが終わってから理解したこととは、大きな開きがあります。

残念ながら、Startup Weekendに参加せず、Startup Weekendについて理解するのは無理です。しかしながら、札幌で初めて開催されたStartup Weekendについて、貴重な初回の記録として、できるだけのことを伝えたいと思い、本レポートを書きます。

Startup Weekendに興味がある方はぜひ次回以降に参加することを強くおすすめします。Startup Weekendが開催されるまでの間、下記から始まるレポートを読んで、次回の募集案内をお待ちください。

準備編。担当

冒頭のお誘いは2014年11月初旬にあり、そのとき2015年1月に開催することを決定し、後に登場するLeeさんのスケジュールと、会場確保を行いました。主要スタッフは松井さんと、私の二人です。

2014年11月の中旬あたりには参加人数や予算規模、収支シミュレーション、審査員、メンター、スポンサー候補を決めました。審査員、メンター、スポンサーへのお願い、食事の調査や予約などは、松井さんと、私で行いました。予算の管理、Startup Weekend事務局との連絡、スポンサー案内資料の作成、物資の調達や運搬、当日の詳細スケジュール作成は松井さん、イベント自体の集客、イベントページのテキスト・事前メールの文面のライティング、ソーシャルメディア運営、賞品の調達は私が行いました。

2014年の12月に募集を開始。定員30名は募集1週間で満員。その後も申込者は増え続け、計63名ほどの参加申込がありました。集客は十分すぎるほど成功しました。

今回、Startup Weekend Sapporoのバナー作成は川原田このみデザイン事務所の川原田このみさんに制作いただきました。バナーは2種類作っていただき、冒頭のバナーと、下記のgifアニメ版バナーがあります。
Startup Weekend Sapporoロゴ2

1日目1月9日(金)

17:00 会場入り
1時間半前にスタッフは会場入り。Startup Weekend Sapporoをお手伝いいただく当日スタッフの方が本州から来ていただきました。私は初めて会ったメンバーが多く、まずは挨拶。その後、Leeさんの指示で、会場設営。wifiネットワーク準備、パネルを立てる、受付用意。
会場準備

18:30 開場+懇親会開始
開場と受付開始です。Startup Weekendはいきなり懇親会から始まります。参加者の方にはピザと、ビールまたはソフトドリンクが提供されます。早速、自己紹介が進み、ハッカー、ハスラー、デザイナーの名札に書き込みます。
懇親会のピザ

ハッカー、ハスラー、デザイナー

今回、司会進行を務めるLeeさんよりハッカー、ハスラー、デザイナーの説明があり、名札に書き入れます。決めてきた人、迷っている人、さまざまでした。
ハスラー・ハッカー・エンジニア
ハッカーは機能の開発を、ハスラーはマネジメントと顧客開発を、デザイナーは使いやすいデザインを担当します。

19:20 日本NPO法人Startup Weekendの理事長、LeeさんによるStartup Weekendの説明

懇親会が盛り上がっているところですが、時間が来たのでその場に着席。まずはStartup Weekend Sapporoのオーガナイザーであり、日本NPO法人Startup Weekendの理事長、LeeさんによるStartup Weekendの説明が始まります。

Startup Weekend Sapporoのオーガナイザーであり、日本NPO法人Startup Weekendの理事長、Leeさん自己紹介

「普通にスタートアップをしてください。普通に起業にしてください。その時間の3日間。Startup Weekendは起業の20年を3日間で体験します

本来、起業には時間がかかり、相応のリスクがあります。皆が皆、スタートアップに挑戦できるわけではありません。Startup Weekendは起業の長い時間をなんと3日間で体験できるイベントです。

「Startup Weekendにルールはありません。チームのメンバーが足を引っ張る? 首にしてください笑」ビジネスの世界同様、Startup Weekendにほとんどルールはありません。「外の場所で作業しても構いません。発表日に飛行機の中でSkypeでプレゼンしてもいいんです」 ただ、最終日にプレゼンを行うことは守ってほしいとのこと。

「札幌で儲けるのだけではなくて、もっと大きいチャレンジをしてほしい」こぢんまりした確実なアイデアで起業するのもあり。しかし、ここはせっかくの起業体験イベント。ぜひ大きいチャレンジをしてほしいとの願いを話しました。

Startup Weekend Sapporoのオーガナイザーであり、日本NPO法人Startup Weekendの理事長、LeeさんによるStartup Weekendの説明

「YOU→起業家。Startup Weekendは皆さんを起業家に変えます。まだ皆さんはまだ起業家ではない。Startup Weekendは起業の場所です。誰でも起業できるのです」「3日間でここまでしかできないというフラストレーションを溜めてください。それを活かしてください。Startup Weekendは3日間であなたを起業家に変える場所」

この2点・・・特に後者のフラストレーション・・・がStartup Weekendの重要なポイントだと知ったのは私が3日目の最終日を迎えたときでした。

19:50 Half Baked

「ゲームをしましょう。ゲームで雰囲気を変えましょう。Half Baked

LeeさんがStartup Weekendの説明を終え、こう言いました。Half Bakedというゲームが始まります。

「皆さんにピッチを教えましょう。このゲームをやりながら、ピッチが何かというのを説明します。キーワードから会社名を特定しましょう。キーワードを二つ選んで、ドットコムを作ります。キーワードの会社名になります」

Leeさんが参加者一人ひとりを順番に指し、適当な単語を言ってもらいます。あがったのは以下キーワードです。

次にLeeさんが適当にチームを分けを行います。そしてチームに分かれ、チーム内の一人がキーワードを2つ選びます。2つ選んだキーワードの中から「●●.com」を作り、起業したと仮定。即興の起業アイデアをピッチするゲームです。

今回のHalf Bakedでは以下のアイデアが登場しました。無理やりなピッチ、無理やりなお題の中でも即興で上手いことを言える方もおり、笑いと歓声のどよめきが会場内を交錯します。
Half Baked 1Half Baked 2

  • レモン飛行機.com「レモンと飛行機をモチーフにしたキャラクターです。キャッチコピーはスカッと。おもちゃ、ゲームのアプリを作ったり、レモンちゃんをモチーフにしたレモンサワーを出したり、機内サービスを提供します」
  • ポテトお尻.com「最初からお尻の形をしたじゃがいもです。キャッチコピーは”生まれたてのジューシー。かじりつけお尻ポテト”」
  • 焼き肉氷.com「焼き肉を表現するアート集団。広告費が収益源。キャッチコピーは”はかない焼き肉の世界へ”」 
  • ミニチュアさんま「さんまの形をしたダーツの矢。グローバルに展開できるような可愛らしい形状。さんまは流体力学上、水中で高速で動く。きゅうたいキャッチコピーは”狙ったところにおろしてポン。”」
  • イラスト有名人.com「イラストの有名人になる。イラストに似た人をプロデュースする。全世界に似たイラスト顔をプロデュース。Youtuberの皆様お待ちしています!」

全てのピッチが終わったあと、参加者が投票を行います。
Half Baked 3Half Baked 4

今回のHalf Bakedの優勝は「ミニチュアサンマ.com」でした。おめでとうございます。

Half Baked後はなごやかな空気になり、次に行われるピッチのハードルが下がります。

20:45 ピッチ

次はいよいよピッチです。まずはLeeさんからの説明です。

「今日(初日)はチームを作る日です。日本では7割ぐらいの参加者がピッチします。アメリカでは4割程度の参加者がピッチをします。全ての会社を作るのは無理なので、投票で絞り込みます。話し合いの時間も10分ぐらい設けます。チーム作りは自由です。20人のチームを作ってもいい。チーム作りは今日までに終わらせましょう」
Startup Weekend 1日目
ピッチ後にチームメイキング。今日までには必ずチームを作りましょう。次にピッチやチーム作りのときのよくある質問の紹介があります。

「Q.既存のアイデアをやってもいいですか? A.いいえ、新しいアイデアに挑戦することにしてください

「Q.アイデアは2つあるんですが2つをしてもいいですか? A.いいえ、1つのアイデアに挑戦してください

「Q.自分のアイデアが落ちました。どうすればいいですか? A.今回はできないですが、良いチームを作ることを目指してください。アイデアは変わる。日曜までに元のアイデアがそのまま残るのは2割を超えません」

Startup Weekendの説明をするLeeさん

引き抜きでも何でもありです。この場所は本当のスタートアップと考えてください
チーム作りは基本的に今日までですが、別日にチーム編成を変えてもいいようです。最後にLeeさんがピッチについての説明と、エールを参加者に投げかけます。

「ピッチとプレゼンテーションは違う。プレゼンテーションは自分を見せること、自分の話をすればいい。ピッチは物を投げる。投げても受け取ってくれなかったら、失敗。成功するピッチは次の機会に繋がる。相手を動かせられるのが成功するピッチ

13人のピッチ開始

札幌開場では13人の方がピッチを行いました。ピッチの制限時間は1分。以下のようなピッチがありました。
1日目のピッチの様子

  • バスに代わる安くて早い交通手段
  • 釧路の美味しい海産物を台湾へ提供。輸送と販売
  • 夏休みRPG ゲームのわくわく感があるドリル。夏休みの宿題を面白くする
  • 家庭内のナレッジ。ファミリー向けのナレッジシェアシステム
  • 3月の上旬に札幌に大きい風船を上げる。震災のときの津波の高さに
  • 日本の良いところの写真をアップするサービス「COOL JAPAN」
  • 目標達成サービス。例えば、パートナーに100円預けて、105円を返ってくるサービス。自分の直近の未来に投資する
  • アプリSNS。今、どういうシチューエーションでやっているアプリを示す
  • 次世代の留守番電話。電話の留守電によるロスを示すなくすサービス
  • 観光で元気にする。日本文化を発信するようなカフェ。お餅をモチーフとしたカフェ
  • iPhoneアプリを使った全ての市民の観光案内。助けがあったら、エゾカカードのポイントアップ!
  • 3Dブリンタで作るディアゴスティーニの電子書籍のおまけ
  • 音楽をグラフ化する。楽しさや重たさ、悲しさ。音楽を簡単に選べるようなサービス
ピッチ後に話を聞きに行く様子1

全員のピッチが終わると、ピッチした方に内容について聞ける時間となります。各々が気になったピッチについて詳しく聞きにいきます。

各ピッチのアイデアの紙を貼りだし、
各ピッチのアイデアの紙を貼りだし

投票します。参加者が付箋を持ち、気に入ったピッチに投票します。
参加者が付箋を持ち、気に入ったピッチに投票

ここで上位7名が決まりました。7名が再度、30秒のピッチを行いました。30秒のピッチでは1分ピッチで話したりなかったことを話します。

21:30 チームメイキング

ここから15分でチームを作ります。参加者がピッチをした方に話を聞きに行きます。チームメンバーの集まりがよくないところはピッチした方自らが勧誘しにいきました。
ピッチ後に話を聞きに行く様子2

今回は6チームできました。
チームメイキングの結果

22:00 1日目の終了

チームメイキング後、少しの話し合いで1日目は終了です。Startup Weekend Sapporoは泊まり込みのイベントではないため、各自家に帰り、明日に備えます。チームによってはここから別場所で作業した方もいたようです作業するかどうかはチームの自由です。

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2日目

2日目はフリータイム。練る時間です。会場で作業してもいいですし、別場所で作業しても構いません。
2015-01-09 17.51.40

8:30 「80個パンをください」APIA HOKUOに集合

私と松井さん、メンターの酒井さん、参加者の佐藤くんと共に朝食の買い出しです。Startup Weekend Sapporoは参加者に7食の提供します。この7食の買い出しや手配などもスタッフの大事な仕事です。この日はAPIAのHOKUOに行き、「80個パンをください」という今後の人生でなかなか経験しないような注文をしました。Startup Weekend Sapporoは関係者も含めると、40人近い参加者になります。4人で80個のパンを持ち、会場に行きます。

9:00 開場

2日目の朝は9時から始まります。来た方に順に支給。開場には給湯室があったので、ドリップコーヒーなども提供です。
HOKUOのパン

2日目、多くの参加者は9時前後に集まり、朝食後、作業を開始。きびきびとした動きです。昨日夜遅くまで作業していたチームがあるという話も耳にする中、休日の朝にこれだけの人が集まるのは運営者として感慨深いものがありました。
2日目の爽やかな朝

9:30 Leeさんのお話

朝食後、2日目最初のLeeさんのお話がはじまります。

「65%はビジネスモデルの悪さではなくて、チームの仲の悪さで失敗してしまいます。考え方の多様性を持ちましょう。誰もトップではないのです。チームを信用しましょう

「M.V.P。MVPのことを考えましょう。Concierge MVPを検索してみましょう 」

「失敗事例①長いプレスト。失敗事例②頻繁なPivot。コーチ質問ランキング1位。顧客は誰?」

検証・実践&デザイン、ビジネスモデル
「審査ポイント。①検証 ②実践&デザイン ③ビジネスモデル。スタートアップウィークエンドは起業を作るのではない。起業家を作る」

15歳の少女が金曜日にチームを結成して、日曜日にピッチをして1億円もらった例がある。日本ではまだそういう例がないんです」

Leeさんの話が終わり、それぞれのチームは作業に没頭していきます。

12:00 2日目の昼食

「いもや」の鮭の塩焼幕の内弁当、和風幕の内弁当、豚しょうが焼き弁当、和風照り焼きハンバーグ弁当
昼食は宅配弁当を頼みました。宅配弁当だと取りに行く手間はありません。「いもや」の鮭の塩焼幕の内弁当、和風幕の内弁当、豚しょうが焼き弁当、和風照り焼きハンバーグ弁当です。

13:00 コーチタイムの予約

Startup Weekend Sapporoには2回のコーチタイムがありました。コーチタイムとはチームがコーチ(メンター)に対して、アドバイスを求めることができる時間です。
コーチ予約表

この日、コーチをやっていただいたメンターは以下の方です。

チームが先着でコーチングを受けたいコーチを予約します。
コーチを予約しにいく参加者

14:00 コーチタイム

各チーム、コーチからコーチングを受けます。チームメンバーでは気づきにくいポイントについて気づく時間です。
コーチタイム

19:00 参加者のテンショングラフとは?

夕食前のLeeさんの話が始まります。まずはスライドを見せます。「このスライドはなんでしょうか?」
StartupWeekendテンショングラフ

参加者がいくつかの回答を行うも当たりません。

これは参加者のテンショングラフです」・・・会場がの雰囲気になります。会場の雰囲気を察知したLeeさんは説明を続けます。「最初は通常のテンションで参加します。チームメイキングができて、1日目夜にテンションが高い。ところが2日は段々テンションが下がっていく。こんなはずじゃなかったのに、と(笑)この青い丸が今です。2日目の夜が気分が落ちているんですね」

うなづく方が多かったように思います。Leeさんは続けます。「2日目夜に落ちた気分…どうやってテンションを取り戻すか? 一つ目はアドバイスをもらって気分を取り戻しましょう。二つ目は・・・わかる方いますか?・・・ビール飲んで、食べてすっきりする!」会場が笑いに包まれました。

19:40 2日目の夕食

2日目夕食は北海道らしくスープカレーです。グーニーズからの宅配。評判の良かった食事の一つです。
グーニーズのスープカレーたち
グーニーズスープカレー

この日も22時に終了です。いよいよ明日は最終日です。

3日目(最終日)

3日目、最終日。この日はプレゼンテーションが行われます。
3日目最終日のStartupWeekend

9:00 開場&朝食

3日目の最終日も9時に開場です。朝はサブウェイです。ちなみにこの日は8:30にAPIAのサブウェイに集合し、インフィニットループの松井さんと小野さんと私とで受け取りに行きました。
サブウェイ

9:30 おばかスライド3姉妹、Leeさんが語る

朝のLeeさんのお話です。「おばかスライド3姉妹と呼ばれているスライドを紹介します」とLeeさんは画面に3枚のスライドを表示します。

おばかスライド3姉妹・1枚目、急激に伸びているグラフ
「まず1枚目、急激に伸びているグラフ。売上や会員数。こうはいかないのです。こういうスライドを出したら笑われます」

おばかスライド3姉妹・2枚目、文字が多いスライド
「次はこういう文字が多いスライド。First Pointは〜〜〜、Second Pointは〜〜〜。文字が小さくて読めないですね。こういうのはスライドを分けるべきです。もしくは語りましょう。スライドに書くべきではありません」

おばかスライド3姉妹・3枚目、いろんなところにいろんなものを書きすぎていて、どこを見て良いかわからない
「最後の3枚目はこういうスライド。いろんなところにいろんなものを書きすぎていて、どこを見て良いかわからないですね。以上の3枚のようなスライドは笑われるので、作らないようにしましょう」

10:30 2回目のコーチタイムの予約

最後のコーチタイム予約です。2回目から初めて参加するメンターを紹介します。

3日目のコーチタイム

12:00 3日目の昼食

3日目の昼食は中華からは「虎鉄」の虎鉄ごちクルコラボ弁当、和食の「咲弥」からは懐石仕出し桜です。前者は美味しそうな見た目、後者は見た目の華やかさで選びました。
中華からは「虎鉄」の虎鉄ごちクルコラボ弁当和食の「咲弥」からは懐石仕出し桜

13:00 最後の追い込み

昼食後は正真正銘、最後の追い込みです。プレゼンテーションの練習用に小さい部屋を開放しました。いくつかの組が小さい部屋での練習を行います。

17:00 発表会の開始

座席を移動しての発表会の開始です。Leeさんの話の後は審査員の紹介です。
Leeさんの最後の話

審査員は参加者の皆さんが3日間かけて作り上げたプレゼンを評価します。審査員は3日目のみ訪れます。この「3日目のみに訪れる審査員が評価する」ということがStartupWeekendのよく出来ているフォーマットです。

審査員以外のオーガナイザー、メンターなどは参加者と立場が違えども、3日間を過ごします。3日間を過ごすと少なからず、各チームに愛情を持ち始めています。おそらく各スタッフは心の片隅でどこかのチームを応援しているというのがあるかと思います。そうなると、公平な審査はできません。そこで3日目だけ訪れる審査員が公平に審査します。

審査員の紹介

StartupWeekendSapporoの審査員を紹介します(敬称略で失礼します)。

株式会社リアルワールド代表取締役社長菊池誠晃
株式会社リアルワールド 代表取締役社長 菊池 誠晃。株式会社リアルワールドは昨年、上場し話題を集めました。菊池社長にはこの日のために東京から札幌にお越しいただきました。

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役伊藤博之
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役 伊藤 博之。「音で発想するチーム」を率いる伊藤社長。最近ではノルベサにミライストカフェをオープンさせたことでも話題です。

株式会社VERSION2代表取締役大西昭夫
株式会社VERSION2 代表取締役 大西 昭夫。大西社長には「私の週末起業」としてLTを行っていただきました。

事業を立ち上げて仕事に熱中する日々の中、奥さんに「私と仕事どちらが大事なの?」というのを実際に言われた大西社長。仕事を選んだ大西社長ですが、事業もある事情でうまくいきませんでした。受託で稼ぎを得つつも、めげずに事業を進めた結果、売上も社員数も急拡大。

Startup Weekendが週末起業の体験であるように、自身も週末企業だったことを伝え、これからのプレゼンをする方に対しての強いエールに。途中、Leeさんの「おばかスライド3姉妹」を引用し、会場を盛り上げ、プレゼンを行いやすい和やかな空気になりました。いよいよプレゼンテーションの開始です。

プレゼンテーションの開始

3日間の集大成。各チームのプレゼンテーションの開始です。制限時間は5分。審査員による質疑応答5分。

トレフォト

トレフォト
親が忙しくても子供を気にかけて、教育できるサービス「トレフォト」。子供にタブレット端末を渡し、タブレット上で学習できる問題が出る。子供が回答を送ると、採点するのは親。回答→採点といったフィードバックに親と子のコミュニケーションが図れるのがウリ。ゲーミフィケーション要素を持たせることにより、子どもの継続性を育てることができる。タブレット端末のため、忙しい親でも仕事の合間にフィードバックを返すことも可能。月額制で課金する。元々は宿題RPGを考えていたが、現地調査やインタビューの結果、ピボットし、現在の形に。

北海道No.1のいくら

北海道No.1のいくら
最高品質へこだわり、日本食が人気の台湾に北海道のいくらを台湾に届ける「北海道のいくら」。いくらは笹谷商店のものを販売。価格を5%ダウンできるとのことで、他との価格優位もある。台湾ではいくらの人気が高く、アンケートでは品質にこだわる結果が出ている。しかし、品質の良いいくらは存在しない。そこで北海道No.1のいくらを販売する。

シェアライド

SHARE RIDE
タクシー代を1/4にできる「SHARE RIDE」。終電後、1人でタクシーに乗るのは高い。そこでタクシーに相乗りしたい人同士をマッチングして、手軽なタクシーの相乗をサポートする。酔っ払っても相談可能なシンプルなUIを設計。『俺の終電は25時』。家が特定されてしまう危険があるため、降りる場所は最寄り駅とする。紹介料が収益。

Family Board(我が家の説明書)

我が家の説明書
家の中で共有すべき情報を共有する「我が家の説明書」。家のことに関する様々な情報を共有できるサービス。ボイラーが故障した時にどこに連絡するかや、ショッピングサイトのパスワードはなにか、といった家庭内でよく聞かれることを共有する。収入としては広告収入など。課題はアプリの告知と、シンプルなので真似されてしまうと競合優位性が現在のところないこと。

Challenge.diet

Challenge.diet
やせるにプラスワン。自分と約束して成功率を高めるサービス「Challenge.diet」ターゲットはダイエットにお金をかけるが、意思は弱い層。Fitbitなどのウェアラブルデバイスでデータを取り、記録していく。成功度に応じて報酬がもらえ、報奨はタイプを選べる。例えば開始と同時にやや小さめのサイズ(目標体重のときにぴっちりのサイズ)を送り、やる気を高める。テスター募集中!

Start APP

Start APP
使っているアプリをシェアするSNS「Start APP」。「Start APP」では身の回りで流行っているアプリがわかる。アメリカで大ヒットしたフラッピーバードが流行ったのはみんなが「なんだこれ!?」という気持ちをシェアしたからこそ。他のSNSでシェアだけする人はうざがられるので、シェア専用のSNSを作る。なぜなら今は「SHAREをする時代」。アプリ開発者から広告収入を得る。

こうして全ての組のプレゼンが終わりました。審査員が審査を行いに控室に行きます。

18:40 結果発表

審査員が審査をしている間、今回の参加者が自主的に宣伝タイムを行うなど、再び和やかな空気に。10分後、審査員が登場。結果発表です。

3位「Challenge.diet」

Startup Weekend Sapporo 3位「Challenge.diet」
3位の「Challenge.diet」チームにはさくらインターネット株式会社様より「全国共通お食事券ジェフグルメカード3,000円分」、札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE様より「3日(3,000円相当)の利用券×チーム人数」、北海道ビジネスサポートセンター 9locku’s様より「3日(3,000円相当)の利用券×チーム人数」が送られます。おめでとうございます!

2位「トレフォト」

Startup Weekend Sapporo 2位「トレフォト」
2位の「トレフォト」チームにはさくらインターネット株式会社様より、さくらのクラウド「5万円分無料チケット」、「叙々苑 お食事券1万円分」、札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE様より「1ヶ月券(1万円相当)の利用券×チーム人数」、北海道ビジネスサポートセンター 9locku’s様より「デイ会員orナイト会員1か月券(1万円相当)利用券+経営相談」が送られます。おめでとうございます!

優勝「StartAPP」

Startup Weekend Sapporo 優勝「StartAPP」
優勝の「StartAPP」チームにはさくらインターネット株式会社様より、さくらのクラウド「5万円分無料チケット」、「叙々苑 お食事券5万円分」、札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE様より「3ヶ月券(3万円相当)の利用券×チーム人数」、北海道ビジネスサポートセンター 9locku’s様より「デイ会員orナイト会員3か月券(3万円相当)利用券+経営相談」が送られます。おめでとうございます!

19:00 懇親会(1次会) 3日目の夕食

最後の夕食は参加者、審査員、メンター、スタッフ全て入り混じっての懇親会です。Garage labs時代からお世話になっているFirst chef(※現在は事業停止中 2017年4月現在)のケータリングです。
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  • Salad 冬野菜イロイロ×プロシュート
  • Sandwich ハム&レッドチェダーチーズのトルティーヤロール
  • Main ビーフ×ポーク×ベジタブルシチュー
  • Rice 姫ホッケ×炊き込みご飯 柚子味噌の香り
  • Dessert ミニクインシー〜あまおう〜

今回、スタッフのリーダーである株式会社インフィニットループ代表取締役、松井さんの挨拶で乾杯!みんなお疲れ様でした!
株式会社インフィニットループ代表取締役の挨拶で乾杯!

各チームで記念撮影。まずはFamily Board(我が家の説明書)チーム。
Family Board(我が家の説明書)チーム

北海道No.1のいくらチーム。Leeさんとメンターの酒井さん(写真左下)も加わっています。酒井さんのコーチングに感謝していての写真での参加のようでした
北海道No.1のいくらチーム。Leeさんとメンターの酒井さんも加わっています

シェアライドチーム。後ほどツイートで知ったのですが、プレゼンは大学生の方のようでした。大学生に思えないプレゼン、とてもいい経験になったのではないでしょうか。
シェアライドチーム

Challenge.dietチーム。3位、おめでとうございます!
Challenge.dietチーム

トレフォトチーム。2位、おめでとうございます!叙々苑焼き肉1万円分!
トレフォトチーム

StartAPPチーム。優勝、おめでとうございます!叙々苑焼き肉5万円分!
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Leeさんからいただいた日本に40着もないらしいStartupWeekendSapporoTシャツを着た嬉しい3人
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Startup Weekend Sapporoオーガナイザー+スタッフ
オーガナイザー+スタッフチーム

審査員+メンター+オーガナイザー+スタッフ
審査員+メンター+オーガナイザー+スタッフ

締めの挨拶

僭越ながら、最後は私が締めの司会をしました。開放感から懇親会では何杯も飲み、けっこう酔っていたのですが、無事こなすことができました。あとで何人かから「良かったよ」と言われ、かなり嬉しかったのを覚えています。ようやく緊張の糸がほどけました。
締めの挨拶を行う赤沼俊幸

今回、ご好意でStartupWeekendSapporoの会場を提供してくださったトーマツベンチャーサポート株式会社の金子さんから一言いただきました。今回、参加費4,000円という低価格で参加者にご提供できたのはトーマツベンチャーサポート株式会社さんが会場を貸していただいておかげです。本当にありがとうございます。
トーマツベンチャーサポート株式会社の金子さん
金子さんからの挨拶はここでは書けないようなぶっちゃけた内容で公開できないのが残念ですが、会場は大いに沸きました!

最後に、次回のStartup Weekend Sapporoのオーガナイザーとして手を挙げていただいた方を紹介します。まだ確定ではありませんが、次回はきっとこの方々がStartup Weekend Sapporoを開催してくれるはずです。Startup Weekend Sapporoの熱い火を受け継いでもらいたいと思います。
Startup Weekend Sapporoのオーガナイザー候補1 石川さんStartup Weekend Sapporoのオーガナイザー候補2 森下さんStartup Weekend Sapporoのオーガナイザー候補3 高橋さんStartup Weekend Sapporoのオーガナイザー候補4 川原田さんStartup Weekend Sapporoのオーガナイザー候補5 えのきのこさん

21:00 懇親会(2次会)

懇親会(2次会)は会場から徒歩5分のサントリーズガーデン 昊(ソラ)に移動です。ここからは飲んで騒いでの大盛り上がり。各テーブル、さまざまな話で盛り上がりました。
サントリーズガーデン 昊(ソラ)での懇親会(2次会)

23:30 懇親会(3次会) or 解散

まだ飲み足りない人は3次会の会場へ。疲れ果てた方は帰宅。それぞれのStartup Weekend Sapporoの収束へ・・・。ここから先はバラバラと行動したので、どのような3次会で行われる気になった方は各参加者へ。本当にお疲れ様でした。

参加者の声・レポート

 

 

 

投稿 by 藤本 拓.

レポート

Startup Weekend Sapporoを開催するに当たり、多くの協賛・スポンサー・特別協力としてご協力いただきました。今回、4,000円という他会場開催と比べると信じられない低価格でStartup Weekend Sapporoを参加者の方に提供できたのは会場をご提供いただいたトーマツベンチャーサポート株式会社と、協賛・スポンサー・特別協力の方のおかげです。協賛・スポンサー・特別協力の会社を紹介いたします。

実は今回のスポンサー募集、スポンサーの一般募集は行いませんでした。すべての会社はこちらから「スポンサーになっていただけませんか?」と声を掛けた会社です。Startup Weekend Sapporoを初開催するにあたり、どういう会社にスポンサーになっていただきたいか、ということを考え、声を掛けました。いずれも札幌の素晴らしい会社ばかりです。Startup Weekend Sapporoの趣旨を理解してくださり、共に盛り上げていただいた会社として、ぜひ機会があればこれらの会社と仕事をしていただければ嬉しく思います。

実はStartup Weekend Sapporo終了後、何社かの社長に「次回もスポンサーになりますよ」という声を掛けていただきました。大変嬉しく思います。

会場のネット環境や、レンタルサーバーにつきましてはさくらインターネット株式会社にご提供していただきました。賞品についてはさくらインターネット株式会社札幌ものづくりオフィス&カフェSHARE北海道ビジネスサポートセンター 9locku’sよりご提供いただきました。ありがとうございます。

Startup Weekend Sapporoをスタッフとして開催して感じたこと

ここからはStartup Weekendについて思ったことを書きます。

どうしてStartup Weekend Sapporoのスタッフをやったのか

Startup Weekend Sapporoの各スタッフは手弁当で協力しています。「どうして私がStartup Weekend Sapporoのスタッフを行ったのか」まずはそのきっかけや思いについて説明します。

直接のきっかけは株式会社インフィニットループ松井さんに誘っていただいたことでした。

松井さんから「Startup Weekend Sapporoを開催したいのですが、手伝ってくれませんか?」というお誘いを受けました。Startup Weekendについては他場所での開催レポートで以前より知っていた私は即答で「はい」と答えました。

ではなぜ即答で引き受けたのか。

私は2014年1月まで株式会社24-7という会社に在籍し、会社業務の一つとして、2013年11月までGarage labsというコワーキングスペースをコミュニティマネージャーとして運営していました。この経験が今回の経緯に繋がっています。

Garage labsは「インターネットを利用したビジネスで、北海道に雇用を生み出すグローバル企業の創出を目的とした北海道初のコワーキングスペース」という目的を持っていました。Garage labsのコミュニティマネージャーとして、北海道からITを利用した新しいサービスを生み出し、スタートアップ、ベンチャー企業を増やすことを啓蒙していました。

約2年間の運営期間、それなりの賛同者と、それなりの理解は得られたと思います。しかし客観的に「その目標を達成することができたか?」と問われれば、「まだまだ」という結果です。

その後、株式会社24-7を退職した私はマーケティストという屋号の個人事業主として独立し、Webマーケティングコンサルティング業を行うこととなりました。

独立して約一年、Webマーケティングコンサルティング業としては軌道に乗りつつあります。しかし私の気がかかりはGarage labs時代の目標を達成できずにいることでした。高い目標とはいえ、その目標に対して、少しずつでも進んでいきたい気持ちがありました。

「目標に対して進めているか?」という今の自分への問いかけに対しては自信を持って「はい」ということが言えない私がいます。

そういう気持ちを抱えたままの松井さんからの「Startup Weekend Sapporoを開催したいのですが、手伝ってくれませんか?」というお誘い・・・私は即答で「はい」と答えました。

ワークショップ形式イベントの評価

私は大学の頃、よくイベントを開催していました。共に開催していた人たちの中で「セミナーにするか、ワークショップにするか」という議論がよくありました。

セミナーは知識を持った講演者が参加者に対して語る場所、参加者は知識が少ないことを前提に、講演者の知識を参加者に移すのがセミナーです。

ワークショップは別の考え方をします。参加者の中にまだ表に出ていない「変える力」があると仮定し、参加者同士を自発的に動かすことにより、参加者の中の「変える力」を引き出していくのがワークショップです。

どちらも一長一短あり、ワークショップには「本当に参加者の中に変える力があるのか?」という疑問があったり、セミナーには「ただ聞くだけで身につくのか?実践してみないと覚えないでしょ」という疑問があります。

イベントの目的に応じてセミナー形式とワークショップ形式の適切なものを選択すればいいのですが、最近の私はセミナースタイルを自然と選んでしまっています

しかし、Startup Weekend Sapporoに参加してみて、ワークショップ形式のイベントが良いのではないか、と思うようになりました。実際にはファシリテーターの方が話す場面もあるので、100%参加者同士だけが動くイベントではありませんが、途中にファシリテーターの方の話を盛り込むことによって、学ぶ→動いてみる→学ぶ→動いてみる…、というようにワークショップの良いところと、セミナーの良いところが混ざっているのがStartup Weekend Sapporoの優れたフォーマットのように思います。私もこの形式を取り入れたイベントを開催してみたいと思うようになりました。

「こういう人と起業してはいけないとわかった」3日間という適切な長さ

Startup Weekendは3日間のイベントです。1日でもなく、2日でもなく、4日でもなく、3日です。おそらく3日というのが適切な長さなんだと思います。1日だけではチームと作るビジネスプランも綺麗なもので終わってしまい、そのまま発表し、終わり…。という感じでイベントが終わると思います。それは清々しい思い出として残るかもしれませんが、後に書く「悔しさ」という感情が生まれません。

ある参加者に参加後の話を聞くと「こういう人と起業してはいけないとわかった」と語りました。

3日間を共に過ごし、ビジネスプランの作成に取り組む中で、ビジネスプランの穴が見つかります。その壁をどう乗り越えるのか。壁に対して接する姿で「ビジネスとしての人」が見えてきます。壁の乗り越え方は人それぞれだと思いますが、問題が起きたときに人の本当の姿が表れます。その接し方を見て「こういう人と起業してはいけない」または「こういう人となら共に起業してもやっていける」

そういう自分なりのスタンスや相性も確認できるイベントになります。

Startup Weekendで優勝することは難しくないと思う

今回初めてのStartup Weekendに参加・体験をしてみました。「Startup Weekendはきっとこういうイベントだろう」というのが各々の頭の中にあると思います。しかし、その予想は見事に裏切られます。事前の想像と実際のイベントには大きな差があります。という中で、二回目開催もルールが変わらないという前提があれば、やはり一度以上参加した方のほうが「優勝するかしないか」という点においては圧倒的に一度以上参加した方が有利です。

私は参加するのであればハスラーかなと思っているのですが、Startup Weekendにおけるハスラーの大切な役割の仕事を事前に想定しておくことによって、Startup Weekendを有利に進められると思います。ここにはその方法について書きませんが、参加した方のほとんどはその点について気づいたでしょう。この方法を事前に用意しておければ、有利に進められることは間違いありません。

しかし、Startup Weekendは優勝することが目的ではない

一般的なハッカソンやアイデアソンは優勝が目的です。しかし、Startup Weekendは優勝することが目的ではないイベントだと私は思いました。では何が目的となるのでしょうか。

「Startup Weekendは起業を増やすイベントではない。起業家を増やすイベントです」

Leeさんは繰り返し、そう語りました。私は当初、その意味がわかりませんでした。Startup Weekendによって生まれたサービスで起業が増えればいいじゃないか、と。もちろん、それで起業が増えればいいのですが、起業で成功することはそんなに簡単ではありません。

3日間の起業体験をすることにより、参加者の多くは起業について多くのことを学べたと思います。Startup Weekendに参加したことある人と、参加したことがない人では起業についての体験に大きな差があります。ただ、1度の参加で起業で成功するポイントについての全てが学べるか、というとそうではありません。起業で成功するには多くの知識が必要です。残念ながら、まだStartup Weekendだけでは成功する起業についての全てが学べるわけではありません。成功する起業については参加者の自発的な学習や、やる気といったものが必要です。

自発的な学習や、やる気を高めるためにはどうすればいいか。そのためにあえて、Startup Weekendは参加者のフラストレーションを溜めるようにイベント設計されていると思います。

フラストレーションを溜めるイベント

最終日の3日目、私は各チームの状況を眺めていました。ほとんどのチームがギリギリまでプレゼンテーションを直したり、プレゼンする内容について話し合っていました。最終日のプレゼンテーションを見て私は「まだまだ力が出せたのではないか」というように思いました。各チームは3日間頑張ってきた成果を5分のプレゼンテーションに出しきれたでしょうか? おそらく力を出しきれなかったところが大半だったのではないでしょうか。

悔しさがあるのだと思います。あのときチーム内でもっとはっきりこう主張したほうが良かったのではないか。もっと良い内容をプレゼンできたのではないか。審査員の質問に対してはこう答えたほうが良かったのではないか。

この悔しいという気持ちがフラストレーションを溜めます。これこそがStartup Weekendというイベントの重要なポイントだというように思いました。

Leeさんが初日に話した言葉を引用します。

3日間でここまでしかできないというフラストレーションを溜めてください。それを活かしてください。Startup Weekendは3日間であなたを起業家に変える場所

この言葉の意味が最終日にようやく理解できました。Startup Weekendは3日間で終わりです。次の日からはまたいつもの日常が始まります。おそらく爽やかな気持ちでStartup Weekendを終えると、いつもの日常を過ごすだけで終わりだと思います。

しかし多くの方が悔しい気持ちを残しStartup Weekendを終えたと思います。Startup Weekendが終了後の日常を過ごす中で、悔しい気持ち、フラストレーションを思い出す・・・そのフラストレーションを解消するために、ある方は起業への第一歩を踏み出すのではないでしょうか。ある方は次回のStartup Weekendに参加する用意をするのではないでしょうか。ある方はもっと違う別の一歩を・・・。

Startup Weekendの価値はその人の体験そのもの。

起業が以前より身近になったとはいえ、やはり起業はまだまだハードルが高いでしょう。会社員の方は会社を辞めなければいけないですし、結婚されている方は家族への説得も大変なことでしょう。手続きもめんどうでしょう。

Startup Weekend Sapporoに参加するのは簡単です。イベント募集しているDoorkeeperページを見て申込と決済をして当日会場に来ればいいのです。そこには少しの勇気と少しのお金と日程調整だけです。その簡単な行動で起業してから気づく、落とし穴や失敗を体験することができるのです。それこそがStartup Weekendの価値です。

Leeさんの言葉を引用します。

YOU→起業家。Startup Weekendは皆さんを起業家に変えます。まだ皆さんはまだ起業家ではない。Startup Weekendは起業の場所です。誰でも起業できるのです

大切に溜めた自己資金を使い、起業する。しかし、成功するほうが圧倒的に少ないのが起業です。起業に失敗しても人生が終わるわけではないのですが、なかなか大変です。できるだけ起業に失敗しないほうがいいでしょう。

失敗を減らすにはどうすればいいか。最も簡単な方法はあらかじめ失敗を経験しておくことだと思います。一度した失敗は二度しない。そういう方であれば失敗の数を積み重ねることにより、より成功に近づくのです。自己資金で起業した後、失敗を続けるのは大変です。それであれば、失敗が許される環境で失敗しておく。Startup Weekend以外に起業における失敗が許されるイベントが他にあるでしょうか。「いかに良い失敗をしたか」そういうことが学べるイベントです。

そして私がStartup Weekendを体験してさまざまな学びがあったように、Startup Weekendの価値はその人の体験そのものです。私は本記事で書いたような体験をしました。他の参加者全員、また私とは違った価値のある体験をしたことでしょう。

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1983年9月5日生まれ。北海道札幌市出身・在住。大学卒業後は東京へ。インターネット広告代理店のメディアプランナー、モバイルサービスディレクター経験後、札幌へ帰郷。SEOコンサルタント、iOSアプリディレクター、インバウンドマーケティングディレクターなどの職を経験し、2014年4月、個人事業主として「マーケティスト」を設立