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「マーケティスト」の商標を取得しました。マーケティストという言葉の意味とは?

in ブランド

私、赤沼俊幸はマーケティストの商標を取得しました。1区分、第35類です。せっかくの機会として、マーケティストの意味や名付けた経緯、商標を取得した理由を説明します。

マーケティスト商標登録証

マーケティストは使われていない言葉でした

私が目にする限り、マーケティストという言葉を日本で使っている人はいませんでした。私がマーケティストという言葉を使う前はGoogleで日本語検索しても、マーケティストという言葉は出てきませんでした。「marketist」と英語で検索すると、英文での検索結果がちらほらある程度です。

日本ではまだ誰も使っていない「マーケティスト」という言葉を使うことによって、「新しい響きを感じてもらえる」「検索ではすぐ一位になるだろう」という狙いがありました。

そもそもマーケティストとは?

マーケティストというのは私、赤沼俊幸の個人事業主の屋号です。個人事業主を始まる前、どのような屋号にするべきかは相当悩みました。

屋号はつけなくても個人事業主登録できるのですが、マーケティングを提供していく立場として、ブランドやネーミングの重要性については説いていくつもりでした。ですので、やはり私も何かしら意味のある名前付けをしなければいけないと思っていました。

悩み続けた中、ふっと閃いたのが「マーケティスト」という言葉です。

マーケティストはWebマーケティングをする人?

最近聞いた話では、若い方がマーケティストを一般的な職種だと思い、「マーケティングする人」を「マーケティスト」という職種名だと思って社内に紹介し、聞いているほうは赤沼のことを話しているのか誤解していた、というエピソードを聞きました。誤解するほどその人にとっては普及していた、というのはとてもありがたいことです。

一般的に、マーケティングをする人というのは「マーケッター」と言います。

これは Marketing+er で Marketer となります。他の職種も同様で、

  • デザインをする人は Design + er で Designer
  • プログラムをする人は Program + er で Programmer

というようなerをつけるのが一般的です。

別に、istをつける言葉というのも存在します。

  • アートをする人は Art + ist でArtist
  • ピアノを演奏する人は Piano + ist で Pianist
  • ギターを演奏する人は Guitar + ist で Guitarist

(※一方で、ドラムの人は Dram + er でDrummerといいます。不思議ですね)

英語の詳しい解説はここでは省きますが、ざっくりいうと、動詞については「er」、名詞は「ist」のようです。「マーケティングを行う人」については動詞になるようで、「er」がつき、マーケッターと呼ぶことが一般的です。

ただ、調べていく過程で、信念、主義、職業、立場には「ist」がつくという説明を目にしました。

私は世の中……特に北海道なのですが、「もう少しマーケティングをしっかりすれば良いビジネスができるのに」と思うことが多々あり、もっとマーケティングの考え方を広めたいと思い、独立した経緯がありました。ですので、マーケティングを広めていきたいという信念、主義、職業、立場として、マーケティングに「ist」をつけた言葉を使って活動してもいいんじゃないかと思いました。

このような理由から、信念を持ってマーケティングを行う人として、 Marketing + ist でMarketist(マーケティスト)としました。

また、冒頭でも書いたようにマーケティストは、言いやすく響きが良く(stで終わる言葉は語尾がスッとしている)、覚えてもらいすい、聞き間違いが少ない言葉という点でも気に入っています。

なぜ商標を取得したのか

商標を取得するには費用がかかります。なぜ商標を取得したのでしょうか。

マーケティストという言葉を大事にしたい

最も怖いストーリーを紹介します。

商標を取得せずに、私が「マーケティスト」という言葉を使っていき、「マーケティスト」が広がっていったとします。それに目につけた他人が「マーケティスト」という商標を取得します。そうすると、その他人は私に対して、「マーケティスト」の使用を禁止することができます。禁止された私は、私が使い始めたマーケティストという言葉を使用することができなくなってしまう可能性があります。

商標を取得した理由の1つは他人からマーケティストという言葉の使用を禁止されたくないというのがあります。閃き、使い続けているこのマーケティストという言葉を大事にしたいと思っています。

マーケティストというブランドにしたい

商標を取得した理由の2つ目は、マーケティストという言葉をブランドとして育み、ビジネスとして活用したいとも思っていることです。マーケティストという言葉を使い続けて2年以上が経ちますが、一発で覚えてもらい、言いやすく、これを第35類に関しては私の言葉にしたいと思っています。

「マーケティストに頼めば、マーケティングの悩みが解決できる」そういう信頼感のあるブランドにしたいと思っています。

商標として守られる。商標を取得する体験をしたかった

商標を取得すると、商標権の効力の範囲で言葉の使用が守られます。私は新サービスをコンサルティング・サポートする仕事が多く、そのときには必ずサービス名という「名前」について、考える機会があります。サービス名という「名前」を「ブランド」にしていくことも大事です。そのためには商標の取得も大事な業務のひとつです。商標という仕組みを味方につけるために商標を取得するべきです。

お客様に商標の取得を提案するためにも、まずは自分で商標の取得について体験しないと、商標を提案する説得力がないだろうと考え、取得したというの理由もあります。

おまけ 商標速報botにも掲載

私が大好きな「商標速報bot」にも掲載いただいていました!やったね!

会社名、屋号、サービス名に商標は取得していますか?

あなたの会社名、屋号、サービス名に商標は取得していますか?

ビジネスとして活用し、他の人に使うのを禁止されたくない大事な言葉を持っている方はぜひとも商標を取得したほうがいいと私は思っています。商標取得を考えられている方、困っている方はご相談ください

自社ロゴのデザインを依頼して完成するまでのストーリーと全ての内部資料を公開します

in ブランド

個人事業主がロゴデザイナーに自身のブランドのロゴデザインを依頼し、実際に完成するまでの全ての情報をまとめ、全ての内部資料を公開します。本記事を読めばロゴデザイナーの考え方について理解が深まります。

※記事のタイトルでは「自社ロゴ」としましたが、正確には個人事業のロゴとなることをご了承ください。

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《ストーリーと全ての内部資料》目次

お客様にロゴの重要性を説明する仕事があります。しかし、そもそも私自身のブランドであるマーケティストのロゴが既製フォントを並べただけのもので独自性がなく、「ブランドを象徴的に示すものとしてロゴ」の重要性を説明をする説得力が欠けていました。

ちなみに以前までのロゴは以下のようなロゴです。
マーケティストの旧ロゴ
Zapfinoというフォントを使用

個人事業であるマーケティストを創業して約一年。おかげさまである程度の資金的な余裕ができ、仕事の方向性も固まってきました。マーケティストとしてのロゴを作る必要がある時期にきました。

ロゴの制作をプロに依頼しようと考えたとき、独立したばかりであるCOBITOWORKSの佐藤欣昭さん(@yoshiakist)のことが頭に浮かびました。彼は私の前職である会社でロゴを作ってもらった経験があり、独立後、ロゴデザインの仕事をしたいという話を耳にしていました。

彼と会ったとき、私が考えているロゴデザインに求めることについて、まとまりのない話をしました。そのまとまりのない話を彼は見事にまとめあげ、素晴らしいロゴを作っていただきました。

マーケティスト新ロゴ横タイプ

ロゴの完成後、彼とは「出来上がったロゴについて、デザイナーが意見するコンテンツはよく見るけど、出来上がるロゴの過程を説明するコンテンツはないよね」という話になりました。

「ロゴデザイナーがどのようなことを考えて、どのようにロゴを制作しているか」そういうコンテンツがあれば、これからロゴを新しく作る方に参考になるかと思い、貴重なロゴデザイナーの頭の中と、納品物である全ての内部資料を特別に皆様にお見せします。

ここからはCOBITOWORKSの佐藤欣昭さん(@yoshiakist)の寄稿文章になります。(文中に出てくる赤沼さんとはマーケティストのことになります)

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マーケティストのロゴができるまで

はじめまして、COBITOWORKSの佐藤と申します。ロゴデザインのお仕事をしております(普段はWEBデザインやフロントエンド周りのお仕事が多いです)。

ロゴやフォントは趣味としても仕事としても特に好きで、お客様や製品の本質を引き立てることを意識しながらロゴ制作を行っております。

ロゴ制作の依頼

今回のストーリーの発端は2015年2月ごろ、赤沼さんから彼の屋号である「マーケティスト」のロゴを制作してほしいとの依頼を受けたことから始まります。

赤沼さんには前社を紹介して頂くところから退社に至るまで個人的に随分とお世話になっており、これは是非やらせて下さいということで、すぐにロゴ制作を引き受けました。

打ち合わせ

早速打ち合わせをしたところ、おおよそ以下のような要件でロゴを作って欲しいとのことでした。(上から優先度が高い順)

  • 価格として安いサービスだとは思われたくないので、ある程度の高級感、上品な感じを出したい。現状の仮で作ったロゴには筆記体のフォントを使用している
  • どんなクライアントにも合わせた提案ができるという意味で、カラフルなロゴにするか、たくさんのカラーバリエーションを持たせたロゴを作って欲しい。
  • 色々な場面で使えるように、マークだけでなくロゴタイプなどのバリエーションを提案して欲しい
  • 北海道・札幌の企業だというアピールを可能であればしたい。例えば北海道のシルエットを取り入れるなど
  • 使いたい特定のシンボルは無いので、自由に考えて欲しい

要件その1 – 高級感

高級感を出して欲しいという赤沼さんに、参考として以下のような企業ロゴを挙げました。

Cartierロゴ
Pics For > Cartier Logo C より

TIFFANY&Co.ロゴ
14 Famous Fashion Company Logos | BrandonGaille.com より

GUCCIロゴ
グッチ – Wikipedia より

LOUIS VUITTONロゴ
Las sandalias más chic del verano – Miss and Chic Blog より

高級ブランドと一口にいっても、それぞれ全く違った印象を受けます。赤沼さんとしては、この中であえて言えばCartierやTiffanyが近いかもしれないとのことでした。スタイリッシュな高級感をもつ、Futuraのようなサンセリフ書体ではなく、ベーシックなセリフフォントや筆記体の方がイメージに沿っているということだと理解しました。

また、既存のロゴに筆記体を使っているということで、念のため以下のようなロゴも例として挙げました。

Paul Smithロゴ
Paul Smith logo より

Coca-Colaロゴ
コカ・コーラ – Wikipedia より

Pinterestロゴ
Business Action Group | Pin It – A quick guide to Pinterest より

instagramロゴ
Instagram reveals new logo | Logo design | Creative Bloq より

これらはどれもひと癖あるブランドロゴで、曲線や文字の飾りひとつでガラッと印象が変わったり、メッセージがぐっと強くなります。

このようなロゴを見ながらそれぞれの違いについて解説していても、赤沼さんの反応は今ひとつでした。ですので、あくまで赤沼さんの目指すイメージはシンプルで普遍的なものなのだと感じました。

要件その2 – カラフルなロゴ

カラフルなロゴということでいうと、赤沼さんのマーケティストのようないわゆるマーケティング企業のロゴには、実際に色数の多いロゴが多く使われています。

Google画像検索「marketing company logos」

いかにも、「お客様と一緒に成長します!」といったブランドイメージが透けて見える感じがしませんか。

しかしどうも、赤沼さんとしてはこうしたロゴは好きでは無いということでした。これは私も同感です。というのも、一部例外もありますが、こうした企業ロゴには伝えたいメッセージがあるかのようで、実は全くそれがぼやけてしまっていることが多いように思えます。

今回は、第一要件の「安っぽくない」を守らなければならないため、安易にカラフルなロゴにしてしまうと全体が破綻してくる恐れがあります。ですのでこれについては、制作段階において少し頭を悩ませることとなりました。

要件その3 – ロゴバリエーション

名刺や請求書、プレゼンテーションスライドなど幅広い用途で気分に応じて使えるよう、色々なタイプのロゴを提案して欲しいとのことでした。

ブランドロゴと一口に言ってもその種類は様々で、例えば以下のようなものがあります。

ロゴタイプ

ロゴタイプ
Create an original logotype through custom font treatments より

シンボルマーク

(※注意 2015/10/12 引用元の画像が削除されたため、表示されません。ご了承ください)

上記2つの組み合わせ

上記2つの組み合わせ
Beat The Sweat – Sportswear brand | Connecting Brands with Latinos より

バッジタイプ

バッジタイプ
Famous Logo Design History: Starbucks | Logo Design Gallery Inspiration | LogoMix より

モノグラム

モノグラム
I AM FASHION !!!: MONOGRAM In Fashion Industry より

…と、種類は実に多岐に渡ります。今回はシンボルマークとロゴタイプ、およびその組み合わせの他にできればもう一種類ほど、予算に収まる範囲で制作して欲しいとのことでした。

要件その4 – 北海道・札幌らしさ

北海道のシルエットや、札幌を象徴する何らかのマークを取り入れるといったデザインは、とても慎重に考えなければなりません。なぜなら、地名や場所を表すマーク・シンボル自体の意味がはっきりしすぎてしまうので、一番重要な要素である「事業と人物のメッセージ」を上書きしてしまう可能性があるからです。

結局、

  • 将来的に札幌にとどまらない活動になる可能性がある
  • 例え活躍の場を移しても長く使って欲しい
  • 品の良いデザインにすることが最重要である

などの理由から、もし地名の概念を入れるとすれば、メインのマークではなく、サブとなる小さな文字列の中に「HOKKAIDO」や「SAPPORO」を含ませるのが良いのではないか…と相談させてもらいました。

要件その5 – 特定のシンボル等の縛りは無い

ロゴ制作では多くの場合、そのサービスなり企業なりを表すシンボルマークが使われます。例えば「十字架」「ペンギン」「太陽」などなど… 創業者にとって「愛着のある何か」であることも多いですね。

今回は「このシンボルを使って欲しい」という縛りがなく、かつ要件1の「高級感を出す」があるということで、マーケティスト(Marketist)の頭文字である「M」の字を取って、例えば上記のモノグラムタイプのような雰囲気のロゴにしていくのはどうでしょうかと話し合いながら、その日の打ち合わせを終えました。

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いざ、ロゴ制作へ

以上のような打ち合わせの内容を考慮しながら、デザイン作業に入っていきました。

今回は個人事業主からの依頼ということで、サービスが目指すブランドイメージとともに、事業主である赤沼さん本人の個性や強みが現れるようなロゴにするのが理想的です。

赤沼さん個人に対するイメージ

私が赤沼さんに対して抱いているイメージとはおおよそ以下のようなものでした。

  • 強い意志、有言実行の人
  • 主張や手法の軸がぶれない
  • 自立している、情緒が安定している
  • 鋭い視点と言説の持ち主
  • 縁をつなげて広げる人

約3年に渡り公私ともにお付き合いがあったので、この辺の把握と抽出作業はかなり早かったように思います。これがもし知らないクライアントさん相手のお仕事だったら、ヒアリングにもっと時間をかけて個人の象をはっきりさせなければならないところでした。

デザイナーの得意・好みの反映

上記のことを十分に考えぬいてからようやく、デザイナーの個性や技みたいなものが出てくるフェーズとなります。言ってしまえば、ここまでの作業が「デザインの核」となる作業であって、以降はデザインのうちの「スタイリング」の作業であるとも言えます。

もちろんここからの作業も経験や技術がまたものをいう世界なのですが、ここまでの考え方の方向性がずれていると、どんなに手をつくして美しいロゴを作ったとしてもお客さんの心に響くことは無いと考えて良いと思います。

要は、

  • 要件の優先度を決める
  • 顧客の性質を抽出・整理する

この2つさえブレがないようであれば、そこから出てくる色や形はデザイナーの差さえあれ自ずと決まってきて、お互いに納得の行くものになっているはずだ、ということです。

逆に言えば、ロゴ制作をお願いする側がデザイナーに要件を伝える前に上記の事柄をはっきりとさせておけば、どんなデザイナーに頼んでも大きくズレた案は出てきにくくなる、とも言えます。(まぁ、それができれば苦労は無いのですが…)

さて、私がロゴを制作する際の個人的な好み・主義として、以下のようなことに気をつけています。

人が簡単に覚えて描けるものにする

鉛筆でさっとかけるぐらいが理想。例え見た時のインパクトは強くても、複雑だったりパッと思い出せないものだと、クライアントに覚えてもらえなかったり事業主自身も愛着が沸かないのでは、と考えています。

「うちのロゴはこれです」「このマークにはこんな思いが込めてあります」と、作ったデザイナーではなくて、そのロゴの持ち主が自信を持って言えるようになることが大切です。

1色でも表現可能なものにする

上記と重なる理由ですが、私の場合はロゴはまず形ありきで考えています。人が何かのロゴやマークを思い浮かべるときにも、まず形から入ることが多いのではないでしょうか(もちろん個人差はあると思います)。

特に、要件によって2色以上必要の場合は、その2つ以上の色を使うこと自体に特別な意味が込められていなければなりません。簡単な例として「自動車メーカーのロゴ」の場合なら、「日本を代表する企業でありたいから、日の丸の赤!!」「そして車は金属!金属は光沢のあるグレー!」といった具合ですね。逆に、その意味を強調することが最優先事項であれば、色を何色でも使うべきだと思います。

あと、グラデーションが入ると印刷時の色の指定が面倒だったり、データの扱いが面倒だったり…といろいろな理由があって、私個人としては1色でベタっと決まるのが理想だと思っています。もちろん、グラデーションを効果的に使えるデザイナーさんは素直にすごいと思います。

製作途中のあれこれ

以上のようなことをぼんやりと考えながら、いろんな “M” のマークや “Marketsit” のロゴタイプを作っていきました。

ボツ案たちのロゴも公開します。下記の画像のボツ案の中のほんのごく一部です。

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ロゴのプレゼンテーション

苦労してようやくひねり出てきたのが、以下のロゴでした。これが新ロゴの最終案になります。
マーケティスト新ロゴ横タイプ

提案1 – ロゴマーク

アルファベットのMをモチーフにして、鋭く貫く一本の線で「ぶれない軸」「意思の強さ」を、安定したMの足と水平線によって、赤沼さんの「自立したパーソナリティと安定感」や「視点の鋭さ」を、囲む2重の線で、「広がる情報とつながる縁」をそれぞれ表現したものです。

提案2 – ロゴタイプ

marketistという単語は赤沼さんの作った造語なのですが、あたかもそういった単語・職業が英語の語彙にあるかのような印象を持たせるために、敢えて全て小文字でタイプしたデザインとしました。

提案3 – カラフルじゃないんですけど

どんなクライアントにも合わせた提案ができるという意味で、カラフルなロゴにするか、たくさんのカラーバリエーションを持たせたロゴを作って欲しい。

赤沼さんの要望は「カラフル」「カラーバリエーション」だったのですが、これはもともと「どんなお客さまにも合わせた提案ができる」というメッセージを持たせたかったから出た要件でした。

そこで、そのメッセージを色で表現するのではなく、削ぎ落としたマークと普遍的なフォントを用いたロゴタイプによって伝えるのはどうでしょう、ということでこういった提案となりました。

提案4 – 北海道要素はどこへいったのか

北海道・札幌の企業だというアピールを可能であればしたい。例えば北海道のシルエットを取り入れるなど

北海道らしさの部分については、もし後でどうしても付けたいとなったらサブの文字に入れることも可能なので、一旦切り捨てさせてもらいました。結果的にこのことが良い提案につながったのではないかと思っています。

判定は…合格!

この1案のみを提出したところ一発で気に入っていただきOKをもらえたので、このまま最終調整に入っていきました。

もちろんある程度自信のある提案ではあったのですが、自分のイチオシの案をお見せしてすぐに「かっこいい!」と言ってもらえるのが、いちデザイナーとして本当に嬉しい瞬間ですね。

「デザインの理由」は後付けで良い

デザイナーの提案の理想型は、「これがロゴです」「かっこいい!いいね!」だと思っています。要は、「この線がこれを表していて、このカラーでこういうことを表現しています〜」みたいな理由付けの文章は本質ではなく、あってもなくても良いといういうことです。

もちろん、こういうことができるのはデザイナー側が十分に信頼されている時で、大きな企業を相手にプレゼン抜きで「これです」とやっても「いや説明してよ」と言われてしまうかもしれません。それでも、それが良いデザインであれば見せた瞬間に言葉を介さずとも意図やメッセージがなんだか伝わってくる、そういうモノだと私は考えています。

最終調整とロゴのバリエーション

文字詰めや余白などの最終調整を経てから、色々なバリエーションが欲しいということでしたので、縦・横配置、そしてバッジタイプのバージョンも制作しました。新ロゴのバリエーション展開を公開します。

デザインの細かいこと

この辺りからはもうデザイナーのエゴというか、細かいうんちくの部分に入っていくので、こういう話が好きな人以外はさらっと流して頂ければと思います。

マークの”M”の制作過程

メインシンボルに用いた”M”の文字はオリジナルで制作したものですが、これはTrajanというフォントのMを左右対称にしたものをベースに、部分的に調整した出来上がったものです。

Trajanフォント
セリフ(Mの下のヒゲの部分)が曲線的でかつキリッとした表情があるのが、優雅かつ鋭さが欲しい今回のロゴに合っているというのが決め手となりました。

文字が入るマークの場合、一から自分でデザインするのも良いのですが、有名であったり伝統のあるフォントから一部を借りてきてデザインしていくというのも、制作手法としてとても有効であると思います。

ロゴタイプのフォント

メインの文字をBaskerville Old Faceで、サブの文字をAvenir Nextでタイプしました。

Baskerville Old Faceは1757年にJohn Baskervilleによってデザインされた伝統ある書体で、Transitionalフォントに分類されます。水平・垂直方向に整った線形と、線幅のメリハリが効いていているのが特徴です。

サブ情報の文字は、サイズを小さくするので可読性を出すのと、文字部分の下方向に安定感を出すためのベースラインとしての役割を持たせるため、全て大文字としてあります。

Baskerville Old Face

カラー

落ち着きのあるゴールド(黄銅色)にしました。利用シーンによっては黒で出力するのも可というレギュレーションを設けてあります。

また、後で気が変わったり、どうしても赤沼さんのお客様のコーポレートカラーに合わせてロゴを見せたいということであれば、「ワインレッドやダークネイビーなど、雰囲気を壊さないカラーへ変更の相談も可能」ぐらいなつもりで提案をしました。

カラーレギュレーションについては、自信のあるものを推薦しつつ、「後でこうも変えられるよ」ぐらいな話の持って行き方をすると、受け入れる側も気持ちが楽なのではないかと思います。

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最終提案資料

マーケティスト LOGO DESIGN PROPOSAL FINAL PLAN
※上記リンクをクリックしてください。新しいウィンドウで開きます

ロゴの画像ファイルとともに、このような提案資料を一緒に作成して赤沼さんに納品しました。このように、各バリエーションだけでなく、コンセプトや細部の説明、カラーコードや余白のレギュレーションなどの情報を添えて提案資料としてまとめます。

もしロゴについての要項がまとまった資料が無いと、依頼者がロゴを使用していくうちに色を自由に変えたり、余白をぎちぎちにしたり、フォントを変えてみたりしてしまう可能性があります。そうしたリスクを抑え、できるだけデザイナーの意図を保持しておく意味でもこうしたレギュレーション資料は重要です。

このあたりはデザイナーさんにもよるかと思いますが、こうした作業が、結果として提案全体の価値を高めることにつながると考えています。

《ストーリーと全ての内部資料》まとめ

これまでのロゴ製作のストーリーで、製作者サイドにとって重要な点をまとめると以下の様なことになります。

  • 優先度を決める!上位の要件を満たすためなら下位の要件を捨てる
  • 顧客の性質を見抜いて抽出・整理する
  • 要件・顧客の性質を優先度順に形にしていく
  • ロゴに愛着を持ってもらえるかが勝負!そのための言葉は後付けでも良い

とりとめのない長文となってしまいましたが、これからデザイナーとして働いてみたい方や自社ロゴを作ってみたい方の助けとなれば幸いです。

COBITOWORKSではこんな風に一緒になって自社ブランドやロゴを作って行きたい方のお手伝いをしております。

そろそろビシッと自分のブランディングをしてみたいという方、いらっしゃいましたら是非お声がけ下さい!

Twitter: @yoshiakist
Facebook: yoshiaki.st


追記 – 料金について

料金について気になるというコメントをいくつか頂いたようでしたので、簡単ですが追記します。

料金設定

COBITOWORKSでは、ロゴ制作をおおよそ以下の料金で承っております。

梅プラン 35,000円

汎用的に使えるロゴのご提案と制作を致します

竹プラン 70,000円

複数利用ケース / パターンのロゴ制作を致します

松プラン:120,000円

竹プランに加え、派生商品のロゴの制作およびコンサルティングを致します

※ ロゴのデザイン性やクオリティの良し悪しはプラン内容には関係ありません。あくまで、プランの差は1つのロゴに対するバリエーションやサポートの有無とお考え下さい。

今回のお仕事について

タイトルの「全ての内部資料を公開します」にある通り、ネタばらしをすると、今回のお仕事は上記のうちの「竹プラン」としての内容で制作・提案をいたしました。

記事中にも書きましたように、旧知の仲だったからこそできた提案という側面もありました。普段はクライアントさんによってその都度料金の調整を相談させていただくこともあります。

金額設定について思うこと

最近ではロゴを制作する際に、クラウドソーシングを使って安価に大量の提案を貰うのも主流になっています。

身近にまったく頼れる人がいない!という場合は、むしろそれをメインのツールと捉えても良い場合が多いのではないでしょうか。

実際、上記の料金と今回の私の仕事を見て、人によっては高い、安いとそれぞれ感じられることと思います。

しかし、もし知り合いに自分自身や製品のコンセプトをよく理解してくれそうなデザイナーさんがいるときには、その金額が多少割高に感じられても、是非ともその人を頼ってあげて欲しいな… と、いちデザイナーの端くれとして思うのでした。

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